古物商の許可を取って、せどりや古着・古本の買い取りを始めたものの、帳簿に何を、いつ書けばよいのかがよく分からない。「1万円未満なら書かなくていい」と聞いたけれど、本当にそれだけでよいのか不安になっている。そんな方は多いのではないでしょうか。
古物の帳簿(古物台帳)と本人確認のルールは、古物営業法と施行規則で決められていて、警察庁が「古物営業法等の解釈運用基準」で細かい扱いを示しています。この記事では、2026年10月時点の法令と、警察庁・都道府県警察の案内をもとに、記録が必要な取引、書く項目、本人確認の方法、保存のしかたをまとめました。
この記事の要点
- 古物の売買や交換、またはその委託で、古物を受け取ったときや引き渡したときは、その都度、帳簿などに記録する。何日分かをまとめて書くことはできない
- 買い取りなどでは、1回の取引の合計が税抜1万円未満なら、原則として本人確認も記録も要らない。ただし、ゲームソフト、CD・DVD、書籍、バイクと部品など7つの品目は、金額に関係なく必要
- 売ったときに記録が要るのは、美術品、時計・宝飾品、自動車、自動二輪・原付(部品を含む)の区分
- 帳簿は3年間保存する。パソコンなどの電子記録でもよいが、営業所ですぐに印刷できるようにしておく
記録が必要な取引
古物商は、古物の売買や交換、またはその委託で、古物を受け取ったときや引き渡したときに、その都度、取引の内容を帳簿などに記録します。1週間分や1か月分をまとめて後から書くことはできません。
買い取りなどで古物を受け取るときは、次の2つの場合、本人確認と記録は原則として要りません。売ったときの記録は、後で説明します。
- 1回の取引の合計が税抜1万円未満の場合:一度に持ち込まれた品物の代金の合計で考え、消費税は含めません。ただし、次に挙げる7つの品目は、金額に関係なく本人確認と記録が必要です
- 自分が売った物を、その相手から直接買い戻す場合

1万円未満でも本人確認と記録が要る7つの品目
| 品目 | 注意すること |
|---|---|
| 自動二輪・原付と、その部品 | ねじなど、ほかの物にも広く使われる部品は除く |
| 家庭用のゲームソフト | |
| CD・DVD・BD | カセットテープ、ビデオテープ、MDは含まない |
| 書籍 | |
| エアコンの室外機、電気温水機器のヒートポンプ | 2025年10月1日から加わった |
| 電線 | 2025年10月1日から加わった。LANケーブル、延長コード、充電ケーブルは含まない |
| 金属製のグレーチング(溝のふた) | 2025年10月1日から加わった |
使えなくなった電線や室外機のくずなどは、2026年6月1日に施行された金属の盗難対策の法律の対象になり、古物とは別のルールがあります。扱う場合は、警察の案内で確かめてください。
売ったときの記録
売ったとき(払い出し)に記録が要るのは、美術品、時計・宝飾品、自動車(部品を含む)、自動二輪・原付(部品を含む)の区分です。ただし、税抜1万円未満の美術品、時計・宝飾品、自動車(部品を含む)と、税抜1万円未満の自動二輪・原付の部品は、売ったときの記録が要りません。自動車を売ったときは、相手方の住所などは書かなくてかまいません。売ったときに書く項目は、条文と様式第15号の欄で違いがあるので、具体的な書き方は営業所の所轄の警察署で確かめてください。
帳簿に書く項目
次の表は、買い取りなどで記録が必要な場合の基本の項目です。売ったときは、品目によって書く項目が違います。
| 項目 | 書き方 |
|---|---|
| 取引の年月日 | 取引した日 |
| 品目と数量 | 1品ごとに書く。書籍は「『書名』外○冊」のようにまとめてよい。目方で買い取る衣類は「○kg」でよい。CD・DVDは1品ごとに書く |
| 特徴 | 型番や色、傷など、その品物を見分けられる特徴(例:型番、黒色、背面の右下に傷あり) |
| 相手方 | 住所・氏名・職業・年齢(年齢の代わりに生年月日でもよい) |
| 確認の方法 | とった本人確認の方法の区分。方法によっては、その中身も書く |
帳簿の形は、施行規則の様式第15号のほか、取引の順に書ける書類や、取引伝票を取引の順にとじたものでもかまいません。パソコンやPOSレジなどの電子記録でもよく、必要な項目がそろっていれば認められます。電子記録の場合は、各営業所ですぐに印刷できる機器を用意しておきます。
本人確認の方法
本人確認は、相手方の住所・氏名・職業・年齢を確かめるためのものです。相手が会社などの法人でも、取引を担当している人を確かめます。
対面で取引するとき
- 運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書を見せてもらい、住所・氏名・年齢を確かめる。職業は本人に申し出てもらう
- 住所・氏名・職業・年齢を書いて署名した書面を、目の前で書いてもらって受け取る
- タブレットなどの画面に、ペンで氏名を書いてもらう(決められた条件がある)
パスポートは、住所を確かめる書類にならないため、本人確認には使えません。
宅配買取など、対面しないとき
非対面の取引では、施行規則で決められた方法で、相手方の住所・氏名・職業・年齢を確かめます。主な方法の概要は次のとおりです。方法ごとに、申し出てもらう事項や、書類・撮影・送付・振込などの条件が違います。
- 印鑑登録証明書と、実印を押した書面を送ってもらう
- 住所・氏名・職業・年齢を申し出てもらい、本人限定受取郵便などで書類を送って、届いたことを確かめる
- 住民票の写しなどを送ってもらい、その住所あてに転送しない書留郵便を送って届いたことを確かめる
- 身分証明書のコピーを送ってもらい、そこに書かれた住所に転送しない書留郵便などを送って届いたことを確かめ、代金を本人名義の口座に振り込む
- 古物商が用意したソフトで、相手の顔と写真付きの身分証明書を撮影して送ってもらう
- マイナンバーカードのICチップの読み取りや、公的個人認証の電子証明書を使う
どの方法にも細かい条件があるので、取り入れる前に、警察庁の解釈運用基準や、警視庁の非対面取引の案内で確かめてください。
帳簿の保存と、守らなかったときの罰則
帳簿は、紙の場合は最後に記載した日から3年間、電子記録の場合は記録した日から3年間保存します。帳簿をなくしたときは、すぐに所轄の警察署長に届け出ます。
帳簿に書かない、うその内容を書く、保存しない、なくしたのに届け出ない、本人確認をしない、といった場合は、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になります。そのほか、公安委員会から指示や営業停止、許可の取消しを受けることもあります。
また、買い取ろうとする品物が盗品などの不正品ではないかと疑われるときは、すぐに警察官に申告しなければなりません。正当な理由がないのに、何回かに分けて売ろうとする相手なども、申告を考える場面に当たることがあります。
都道府県によっては、条例で別の決まりがある場合もあります。営業所のある都道府県の警察の案内もあわせて確かめておきましょう。
当社のアプリ「古物商の取引台帳」
当社が開発したiPhone用のアプリ「古物商の取引台帳」は、仕入れのその場で、古物営業法で帳簿に書く項目をスマホに残せる帳簿アプリです。
ここで紹介する機能や料金は、2026年10月時点のものです。

- 品目・特徴・数量・写真、金額、相手方、確認の方法を、上から順に入れるだけで記録できます。品目は22種類から選べ、書籍は「『書名』外○冊」の形でまとめて書けます
- 入れた金額と品目から、税抜1万円の境目や、1万円未満でも確認と記録が要る品目、売ったときにも記録が要る品目を見て、「相手方の確認 必要」「記録 必要」の札を出します。法律の欄が空いている記録は「書き足しが要る記録」にまとめて出します
- 直したときは訂正の履歴を残し、取り消した記録は取り消し線で残ります。アプリでは、最後に記録した日から3年の保存期限を表示します。電子記録はそれぞれ記録した日から3年間の保存が必要なので、その間は記録を消さず、確認や印刷ができる状態で残しておきます
- 帳簿は様式第15号の欄でPDF(A4横)にでき、そのまま印刷もできます。CSVはExcelで開けます
- 売れていない物の一覧と在庫の金額、売値から仕入れ値・販売手数料・送料を引いた利益、確定申告用の年間の集計(売上高・期首と期末の在庫・仕入高・売上原価など)も出せます。利益は、これ以外の経費を引いたものではありません
- 記録は端末の中だけに保存し、アカウント登録は要りません。すべての記録と写真を1つのファイルに書き出してバックアップできます。端末の故障や紛失に備えて定期的に書き出し、個人情報の扱いに気をつけて、端末とは別の場所に保管しましょう。電子の帳簿として使う場合は、営業所ですぐに印刷できるプリンターも用意しておきます(アプリからの印刷はAirPrintに対応しています)。開くときにFace IDやパスコードで確かめる設定もあります。広告はありません

記録は合わせて50件まで、購入しなくても使えます。見る・探す・直すは件数に関係なく使えます。アプリの中の「すべての機能」(2,000円・買い切り)を購入すると、件数の上限がなくなり、帳簿のPDF・印刷・CSVと年間の集計が使えるようになります。月額料金はかかりません。
記録が要るかの表示は、古物営業法・同施行規則・警察庁の解釈運用基準にもとづく目安です。迷ったときは、営業所の所轄の警察署に確かめてください。年間の集計も記録にもとづく目安なので、申告の前に内容を確かめてください。
まとめ
古物の帳簿は、買い受けや交換のたびに、その都度つけるのが基本です。買い取りなどで古物を受け取るときは、1回の取引の合計が税抜1万円未満なら原則として本人確認と記録は要りませんが、ゲームソフトや書籍、CD・DVDなどの7品目は金額に関係なく必要です(自分が売った物をその相手から直接買い戻す場合は除きます)。売ったときの記録は、品目と金額によって要るかどうかが変わります。帳簿は3年間保存し、迷ったときは営業所の所轄の警察署に確かめましょう。個人事業の帳簿のつけ方は、一人親方の帳簿のつけ方でも紹介しています。
🏢 このアプリの開発元
株式会社ユナイテッドコーポレーション(大阪市北区・2007年設立)が自社で企画・開発しています。本業は大阪での不動産の売買・買取で、オリジナルブランドJUREMIの物販やアプリ開発など6つの事業を自社で運営しています。App Storeでは、開発者名が代表取締役 栂 淳也の個人名「JUNYA TOGA」で表示されます。
この記事の執筆・監修
株式会社ユナイテッドコーポレーション(代表:栂 淳也)|宅地建物取引業 大阪府知事(4)第54181号|大阪で創業20年。不動産の売買・買取、空き家・ボロ戸建の再生を手がけるほか、オリジナルブランドJUREMIの物販とiOSアプリ開発を自社で運営しています。会社概要/代表挨拶
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