パートで働いていて、「扶養の範囲で」と言われるけれど、年収いくらまでなら大丈夫なのか分からない。2025年と2026年に税金の制度が続けて変わり、前に聞いた数字が今も正しいのか不安になっている。そんな方は多いのではないでしょうか。
年収の壁には、税金の壁と社会保険の壁があり、越えたときに変わるものが違います。この記事では、2026年10月時点の制度を、国税庁・財務省・厚生労働省・日本年金機構などの公表資料にもとづいて整理しました。
この記事の要点
- 年収の壁には「税金の壁」と「社会保険の壁」があり、越えると変わるものが違う
- 給与のほかに所得がない場合、2026年分の本人の所得税は給与178万円までかからない。2026年の給与にかかる2027年度の住民税は、地域などの条件によって119万円以下ならかからない。夫・妻の配偶者控除の基準は本人の給与136万円以下
- 社会保険の扶養の収入の基準は原則130万円未満(その年の12月31日に19〜22歳の方は配偶者を除き150万円未満、60歳以上の方などは180万円未満)
- 勤務先の社会保険は、2026年10月から賃金の要件がなくなり、週20時間以上などの条件で判定する。条件に当てはまれば、130万円未満でも加入する
夫・妻の健康保険の扶養のままでいたい場合は、まず勤務先の社会保険に入る条件に当てはまるかを確かめます。当てはまらなければ、原則として今後1年間の収入が130万円未満であることなどが必要です。これは、本人に所得税がかからない給与178万円までという基準とは別のものです。
2026年の主な年収の壁
夫・妻の扶養に入ってパートで働く方の例です。数字は、収入が給与だけで、ほかの所得がない場合の目安です。

| 年収(給与) | 越えると変わること | 種類 |
|---|---|---|
| 119万円 | 2026年の給与がこの額を超えると、2027年度の住民税がかかる場合がある(基準は市区町村や扶養している人の数などで違う) | 税金 |
| 130万円 | 今後1年間の収入が130万円以上になる見込みなら、原則として夫・妻の健康保険の扶養から外れる(60歳以上の方などは180万円未満が基準。収入のほかにも条件がある) | 社会保険 |
| 136万円 | 夫・妻の配偶者控除が、配偶者特別控除に変わる(本人が70歳未満で、夫・妻の合計所得が900万円以下なら、控除の額は38万円のまま) | 税金 |
| 169万円 | 夫・妻の配偶者特別控除が減り始める | 税金 |
| 178万円 | 給与がこの額を超えると、本人に所得税がかかる場合がある(社会保険料の控除などで、超えてもかからない場合がある) | 税金 |
| 207万円 | 夫・妻の配偶者特別控除がなくなる | 税金 |
扶養から外れたあとは、勤務先の健康保険と厚生年金、または国民健康保険などに入ります。国民年金に入る必要があるかは、年齢や勤務先での加入の状況によって変わります。また、勤務先の社会保険に入るかどうかは、年収ではなく、働く時間などの条件で決まり、条件に当てはまれば130万円未満でも加入します(後で説明します)。
税金の壁(2026年分)
本人の所得税:178万円
2026年分から、基礎控除が104万円(特例を含む。合計所得489万円以下の場合)に、給与所得控除の最低額が74万円になり、給与が178万円までなら所得税がかからなくなりました。今回の改正は11月までの毎月の源泉徴収には反映されず、原則として12月の年末調整で精算されます。年末調整には、勤務先に必要な申告書を出す必要があります。年末調整を受けない方は、確定申告が必要かを税務署で確かめてください。この特例は2026年分と2027年分に限る措置です。今の法律では、2028年分以降の基礎控除は99万円、給与所得控除の最低額は69万円に戻ります。財務省は178万円を保つ方針を示していますが、2028年度の税制改正で決まるので、今後の発表を確かめてください(国税庁の資料(PDF))。
本人の住民税:119万円
給与のほかに所得がなく、住民税がかからない所得の上限が45万円の地域では、2026年の給与が119万円以下なら、2027年度の住民税はかかりません(給与所得控除の最低額74万円と45万円の合計)。この上限は市区町村によって違うので、お住まいの市区町村で確かめてください。
夫・妻の配偶者控除と配偶者特別控除:136万円・169万円・207万円
ここでは、控除を受ける夫・妻の合計所得が900万円以下で、パートで働く本人が12月31日の時点で70歳未満の場合で説明します。給与のほかに所得がなく、生計を一にしているなどの条件を満たせば、本人の給与が136万円以下なら、夫・妻は配偶者控除(38万円)を受けられます。136万円を超えると配偶者特別控除に変わりますが、169万円までは同じ38万円です。本人が70歳以上の場合は、配偶者控除の額が違います。169万円を超えると少しずつ減り、207万円を超えるとなくなります。ここで示した38万円は所得税の控除の額で、税金が38万円減るという意味ではありません。控除を受ける夫・妻の合計所得が900万円を超えると控除の額が減り、1,000万円を超えると配偶者控除も配偶者特別控除も受けられません。住民税の控除の額は、所得税とは違います。
19〜22歳の子どもの場合:159万円
12月31日の時点で19歳から22歳の子どもなどがアルバイトをしている場合、親は、子どもの給与が136万円以下なら特定扶養控除(63万円)、136万円を超えて159万円以下なら特定親族特別控除(63万円)を受けられます。159万円を超えると少しずつ減り、197万円を超えるとなくなります。ここで示した63万円は所得税の控除の額で、税金が63万円減るという意味ではありません(住民税の控除の額は違います)。学生であることは条件ではありません。年齢と所得の条件に加え、控除を受ける親などと生計を一にしていることなどが必要です。
社会保険の扶養(130万円・150万円・180万円)
夫・妻や親の健康保険の扶養に入るには、年収が130万円未満であることが目安です。ふだんの扶養の認定では、同居している場合は原則として扶養する人の年収の半分未満、別居している場合は扶養する人からの仕送りの額より少ないことも必要です。同居で半分以上でも認められることがあるので、加入している健康保険組合などで確かめてください。
- その年の12月31日の時点で19歳以上23歳未満の方(配偶者を除く)は、150万円未満(2025年10月から)
- 60歳以上の方や、障害厚生年金を受けられる程度の障害がある方は、180万円未満
社会保険の扶養は、税金とは数え方が違い、通勤手当や賞与も含めた、これから1年間の見込みの収入で判定します。2026年4月からは、収入が給与だけで、労働契約から働く時間や賃金がはっきり分かる場合などに、契約の内容から見込まれる年収で判定する取り扱いが始まりました。契約のときに想定していなかった臨時の収入で基準を超えても、社会通念上妥当な範囲なら、扶養のままでいられる場合があります。ただし、シフト制などで働く時間がはっきりしない場合は、この取り扱いを使えません。条件と必要な書類は、加入している健康保険組合などで確かめてください。
勤務先の社会保険(いわゆる106万円の壁)
月8.8万円以上という賃金の要件は、2026年10月1日になくなりました。週の所定労働時間と月の所定労働日数が、どちらもフルタイムの人の4分の3以上なら、原則として勤務先の健康保険と厚生年金に入ります。それより短い時間で働く方も、次の条件にすべて当てはまると加入します。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 2か月を超えて雇われる見込みがある
- 原則として学生ではない
- 勤務先が、厚生年金に入っている人(フルタイムの人の4分の3以上働く人など)を原則51人以上雇っている企業などである。法人の場合は、同じ法人の事業所を合計して数える
51人未満でも、任意で加入の対象にしている勤務先もあります。詳しくは勤務先や厚生労働省の案内で確かめてください。
この人数の条件は、2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上、2032年10月に11人以上と段階的に広がり、2035年10月になくなる予定です。勤務先の社会保険に入ると保険料がかかります。厚生年金に入った期間は将来の年金の額に反映され、健康保険では、条件を満たすと病気やけがで休んだときに傷病手当金を受けられます。厚生年金に入るのは原則70歳未満で、入る制度は年齢によっても変わります。
壁を越えるか迷ったら
- 世帯の手取りで比べる:本人の税金や保険料だけでなく、夫・妻の税金も合わせた世帯の手取りで考えます
- 勤務先の家族手当を確かめる:夫・妻の会社の家族手当の基準は、会社ごとに違います
- 判断に迷ったら確かめる:扶養の認定は健康保険組合など、税金は税務署や市区町村が、それぞれの事情にもとづいて判断します
当社のアプリ「扶養の番人」
当社が開発したiPhone・iPad用のアプリ「扶養の番人」は、給料を月ごとに入れるだけで、年収の壁まであといくら働けるかが分かるアプリです。2026年の制度の変更に合わせています。

- 給料日の月で数えた1〜12月の給料の見込みと、目標にした壁まであといくらかが分かります。税金の壁では非課税の通勤手当を除き(非課税の上限を超える分は給与に含めます)、社会保険の扶養では通勤手当も含めて数えます。社会保険の扶養は今後1年間の見込みなどで判定されるので、1〜12月の合計だけでは決まりません
- まだ記録していない月に、1か月いくらまでなら越えないか(時給なら何時間までか)を出します
- 自分の立場と年齢に関係する壁を一覧にして、越えると誰の税金や社会保険が変わるかを説明します(世帯の手取りでの比較は、有料の「全部解放」に入っています)
- 社会保険の扶養や、勤務先の社会保険に入るかどうかの判定、年末調整で夫・妻が出す書類に書く見込みの額も分かります
- 広告はなく、入力した内容は端末の中だけに保存します
給料の記録、壁まであといくら、壁の説明、社会保険の判定、年末調整のメモは無料で使えます。アプリの中の「全部解放」(600円・買い切り)を購入すると、世帯の手取りでの比較、手取りが減る場合の減る額と元に戻る年収の目安、勤務先が2つ以上の場合の計算が使えるようになります。月額料金はありません。計算の結果は目安です。
アプリの計算は目安です。扶養の認定や税額は、勤務先・健康保険組合・市区町村・税務署が、一人ひとりの事情にもとづいて決めます。
まとめ
2026年の給与にかかわる税金の壁には、地域などの条件による2027年度の住民税の119万円、配偶者控除の136万円、本人の所得税の178万円などがあります。社会保険では、扶養の原則130万円未満と、勤務先の社会保険に入る条件である週20時間以上などが大きな区切りです。越えると変わるものが壁ごとに違うので、世帯の手取りで考えましょう。将来のお金の見通しは、老後資金の計算の手順でも解説しています。
🏢 このアプリの開発元
株式会社ユナイテッドコーポレーション(大阪市北区・2007年設立)が自社で企画・開発しています。本業は大阪での不動産の売買・買取で、オリジナルブランドJUREMIの物販やアプリ開発など6つの事業を自社で運営しています。App Storeでは、開発者名が代表取締役 栂 淳也の個人名「JUNYA TOGA」で表示されます。
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この記事の執筆・監修
株式会社ユナイテッドコーポレーション(代表:栂 淳也)|宅地建物取引業 大阪府知事(4)第54181号|大阪で創業20年。不動産の売買・買取、空き家・ボロ戸建の再生を手がけるほか、オリジナルブランドJUREMIの物販とiOSアプリ開発を自社で運営しています。会社概要/代表挨拶
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