不動産の基礎知識

万博後の大阪不動産市況はどうなる?2025年以降の市場動向と投資家が取るべき戦略を大阪の不動産会社が解説

2025年4月から10月にかけて開催された大阪・関西万博。日本中、そして世界中の注目を集めたこの一大イベントが終わったあと、大阪の不動産市場はどのように動いていくのでしょうか。投資家にとって「万博後」というタイミングは、チャンスなのか、それともリスクなのか——。

私は不動産投資家JACK。大阪を拠点に戸建投資を中心に実践しており、2015年から始まったサロン「コアメンバー」も現在11年目を迎えています。今回は、2025年万博後から2026年以降にかけての大阪不動産市況の変化と、投資家が今取るべき戦略について詳しく解説していきます。

万博前後の大阪不動産市場:何が起きていたのか

大阪・関西万博の開催決定(2018年)以降、大阪の不動産市場は長期にわたって上昇トレンドを続けてきました。特にインバウンド需要の回復と重なった2022年〜2024年にかけては、大阪市内の中古マンション価格が年率5〜8%ペースで上昇するエリアも珍しくありませんでした。

代表的な動きを挙げると、以下のようなものがあります。

マンション価格の急騰と新築供給の変化

大阪市内の新築マンション平均価格は、2020年時点の約4,500万円から2025年には約6,200万円超まで上昇したとも言われています。これはコロナ禍での金融緩和による投資マネーの流入、建築資材・人件費の高騰、そして万博需要を見込んだ先行投資が重なった結果です。

さらに興味深いのは、新築マンションの供給戸数そのものは減少傾向にあるにもかかわらず、価格は上がり続けてきたという点です。これは供給不足による価格上昇ではなく、むしろ「高額物件しか作れない(採算が合う価格帯が上がっている)」という建設コスト構造の変化が背景にあります。つまり、価格上昇は需要の強さではなく、コストの高騰を反映したものという側面も強いのです。

インバウンド需要によるホテル・民泊の活況

インバウンドが復活した2023年以降、大阪ミナミ周辺や難波・心斎橋エリアではホテルの稼働率が90%を超える水準が続き、民泊物件の収益性も急上昇しました。このため一部の区分マンションが「民泊転用目的」で取引される事例も増え、実需を超えた価格形成が起きていました。

ただし、万博期間中の特需が終われば、この種の短期賃貸需要は一定程度の調整を避けられません。過去のオリンピックや大型イベント後の事例を見ても、民泊・ホテル需要は開催期間中をピークに落ち着く傾向があります。

IRカジノ関連の思惑買いと現実

夢洲(ゆめしま)へのIR(統合型リゾート)誘致という話題も、大阪北部・湾岸エリアの地価上昇を後押しした一因です。しかし、IR開業時期の度重なる延期が明らかになるにつれて、一部の投資家は「思惑買い」のポジションを崩し始めました。

思惑だけで買い進んだ物件は、現実の賃貸需要に支えられていないため、思惑が外れた瞬間に値下がりリスクが顕在化します。「近い将来、IRが来るから」という期待で投資判断をするのは、非常に危険な姿勢だと私は考えています。

万博終了後に起きやすい「調整局面」とは

大型イベント後に不動産市場が調整するのは、過去の事例からも読み取れるパターンです。1972年の札幌オリンピック後、1970年の大阪万博後、2020年の東京オリンピック後——いずれも一定の調整が見られました。

需要の「前借り」が終わる

万博開催期間中は、建設需要・宿泊需要・飲食需要などが集中します。しかし万博が終われば、それらの「前借り需要」が一気に消えます。特に民泊・ホテル需要に依存していたエリアでは、空室率の上昇が懸念されます。

実際、2025年の万博閉幕後から2026年前半にかけて、大阪市内の民泊物件の売り出しが増加するという見方は投資家の間でも共有されつつあります。「万博バブルが終わった」と感じた所有者が売却に動けば、中古物件の供給が増加し、価格の下落圧力となります。

建設費・人件費の高止まりと購買力の限界

建築資材の高騰は2026年以降も容易には解消しないと見られています。新築マンションの価格が高止まりする一方、購入者の実質賃金の伸びが追いつかず、購買力の天井感が出てくることも考えられます。特に1億円を超えるファミリー向け新築マンションは、実需ではなく投資・資産保全目的の購入者に支えられてきた側面が強く、金利上昇局面では需要が萎む可能性があります。

金利上昇の影響——変動金利ユーザーへのインパクト

日本銀行が2024年以降、段階的に利上げを進めていることは不動産市場にとって無視できない変化です。住宅ローンの変動金利型が上昇に転じると、毎月の返済額が増え、購入意欲を冷やす効果があります。

例えば、4,000万円を変動金利0.5%で35年ローンを組んでいたケースと、金利が1.5%に上昇した場合を比べてみましょう。月の返済額は約10万円から約12万2,000円に増加します。年間で約26万円の負担増です。これが5〜6%になれば月の返済額は約18万円前後となり、もはや家計の許容範囲を超える水準になります。

また、投資物件のキャップレートにも影響し、利回りを重視する投資家が物件価格の高さに二の足を踏む場面が増えるでしょう。

「大阪だから安全」という思い込みは危険

「大阪は訪日外国人も多いし、万博・IRもある。だから不動産投資は安全だ」——そんな言説をよく耳にします。しかし、これは非常に危険な思い込みです。

私自身、フィリピンやタイでの海外不動産投資で痛い目を見た経験があります。そのときも「成長著しい東南アジアだから大丈夫」という楽観論が蔓延していました。しかし現実は、プレビルド物件の竣工遅延・管理業者による家賃横領・売却時の価格暴落——と散々なものでした。エリアの「成長性」だけを根拠に投資判断をするのは、非常に危うい考え方です。

大阪においても同様です。エリアや物件タイプを精査せずに「大阪だから」という理由だけで投資するのは、大きなリスクを抱えることになります。

エリアによって大きく異なる需給環境

大阪市と一口に言っても、北区・中央区・天王寺区と、西成区・生野区・平野区では需給環境がまったく異なります。万博・IR効果が及ぶのは湾岸・北部エリアに限られており、東部・南部の住宅地では万博の恩恵はほとんど関係ありません。

ところが、販売業者の中には「大阪全体が上昇している」という曖昧な説明で、実際には需要の薄いエリアのワンルームマンションを売りつけようとするケースもあります。「どのエリアのどんな物件か」を具体的に精査することが不可欠です。

ワンルームマンション投資勧誘の増加に注意

万博後の調整局面においても、「大阪は安心ですよ」という枕詞でワンルームマンション投資を勧めてくる業者が増えることが予想されます。彼らは万博・IRという「大阪ブランド」を巧みに利用しながら、実際には収益性の低い新築ワンルームを売りつけようとします。

特に首都圏のサラリーマン向けに「大阪の物件は安い、まだ値上がり余地がある」という営業をかけてくるケースが増えています。しかし、表面利回り5%前後で管理費・修繕積立金・固定資産税・ローン返済を差し引くと、実質的に毎月赤字になるケースがほとんどです。

2026年以降、大阪で注目すべき投資エリアと物件タイプ

では、2026年以降の大阪不動産市場でどのような投資が有望なのでしょうか。私の見解をお伝えします。

実需賃貸需要が安定しているエリアの戸建投資

大阪で長期的に安定しているのは、実需の賃貸需要が厚いエリアです。大阪市東部・南部の住宅エリア(例:東住吉区、平野区、住吉区、堺市北区など)では、ファミリー向けの賃貸需要が根強く、特に小学校区が良いエリアでは空室が出にくい傾向があります。

こうしたエリアの築古戸建(1980〜1990年代築)は、適切なリノベーションを施すことで表面利回り10〜15%程度を実現できるケースもあります。マンション価格が高騰している今だからこそ、比較的安価に取得できる戸建が投資対象として注目されています。

ただし注意点があります。築古戸建は建物の状態確認が最重要です。シロアリ被害・雨漏り・基礎のひび割れ・配管の劣化などを見落として取得すると、リノベーション費用が想定の2〜3倍に膨らむことがあります。必ず専門家による建物調査(インスペクション)を入れることをお勧めします。

インバウンド依存型の物件には注意

民泊・短期賃貸に特化した物件は、インバウンド需要に大きく依存しています。万博特需が終わった後の2026年以降、こうした物件の収益性が落ちる可能性は十分あります。売却を検討しているなら、まだ需要が高い時期に動いておくことも選択肢の一つです。

中古区分マンションの「選別買い」

新築マンションの価格が高止まりしている中、中古区分マンションに値ごろ感が出る局面も想定されます。ただし、管理状態・修繕積立金の状況・空室リスク・売却時の流動性をしっかり確認した上での選別投資が必要です。「安いから買う」という判断は禁物で、「なぜ安いのか」を徹底的に掘り下げることが求められます。

特に管理費・修繕積立金の滞納状況、大規模修繕の計画・積立の充足率は、購入前に必ず確認すべき項目です。積立不足のマンションは、将来的に一時金の徴収や管理費の大幅値上げが起こりうるため、表面上の利回りが良くても実際のコストが大きくなることがあります。

不動産会社の営業トークに惑わされないために

万博後の調整局面では、販売業者が様々なトークで投資家を誘引してくることが予想されます。よくある「危険な営業トーク」をいくつか紹介します。

「今が底値です。これ以上は下がりません」

相場の底を正確に予測できる人間はいません。この言葉を言う業者の多くは、自分が持っている在庫を売り抜けたいだけです。底値かどうかは後からしか分かりません。「今が底値」という言葉で焦らされたら、逆に冷静になるサインだと思ってください。

「大阪はまだまだ上がります」

根拠のない楽観論です。どのエリアの、どんな物件が、何を根拠に上がるのかを具体的に説明できない業者からは買わないことをお勧めします。「大阪全体が上がる」という主張は、エリアごとの実態を無視した雑な論理です。

「IRが開業すれば一気に値上がりします」

IR開業時期は現時点でも不透明です。「思惑」だけで不動産を買うのは、ギャンブルと変わりません。あくまで「現時点の実需賃貸需要」をベースに投資判断することが基本です。IRが来なかったとき、来ても予想より規模が小さかったとき——その場合でも成立する投資かどうかを問うてみてください。

「節税になります」「ローンが通ります」

節税効果を強調するワンルームマンション投資の勧誘は、万博後も続くでしょう。しかし、節税のためだけに収益性の低い物件を買うのは本末転倒です。節税額よりもキャッシュアウト(持ち出し)の方が大きいケースが多々あります。

また「ローンが通りますよ」という言葉も要注意です。ローンが通ることと、その物件を買って得をすることは別の話です。銀行が融資してくれるのはあくまで返済能力があると判断したからであり、物件の収益性を保証しているわけではありません。

投資家JACKが今考えていること

私自身は、2026年以降も大阪の戸建投資をメインに据える方針は変えていません。ただし、物件取得価格の上昇には慎重に対応しています。1〜2年前に比べると、同じエリアの同じ規模の戸建でも取得価格が20〜30%程度高くなっている印象があります。

このような局面では、無理に物件を取得しようとするより、「いい物件が出るまで待つ」という姿勢が大切です。不動産投資に焦りは禁物。特にキャッシュを保持しておくことで、万博後に価格調整が起きた際に動けるポジションを取っておくことが重要だと考えています。

また、私が実践している戸建投資の特徴は、インバウンド需要や万博効果といった「外部イベント」に依存しない点にあります。地元に住む普通のファミリーが、まともな家賃で長く住んでくれる——そういう物件に絞っているからこそ、外部環境の変化にも比較的耐性があります。

サロン「コアメンバー」では、こうした市場環境の変化についてメンバー同士でリアルタイムの情報を共有し合っています。11年目に突入した今も、現場の肌感覚を最優先にした議論が続いています。「数字の上の投資論」ではなく、実際に物件を動かしている人たちのリアルな声が集まる場所です。

まとめ:万博後の大阪不動産を冷静に見る視点を持とう

2025年万博後の大阪不動産市場は、これまでの上昇トレンドがそのまま続くわけではなく、一定の調整局面が来る可能性があります。重要なのは、「大阪だから安心」という思い込みを捨て、エリア・物件タイプ・需給・収益性を個別に精査することです。

過去に私が海外不動産で失敗したときと同じように、「成長ストーリー」に乗せられて判断を誤ることは、国内投資でも起こりえます。大阪だから、万博があるから、IRが来るから——そんな理由で判断するのではなく、「今この物件は、今の賃貸需要に見合っているか」という基本に立ち返ることが大切です。

大きなイベントの後には必ず「次の局面」が来ます。その局面を読み誤らないために、今から情報収集と分析を続けておくことが、長期的な不動産投資の成功につながります。

不動産投資は「情報と判断力」が命です。煽り文句に乗せられず、冷静な視点で市場を見続けていきましょう。

大阪で不動産投資をお考えの方、または現在保有物件の今後の方針にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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