「相続した実家が再建築不可だと言われた」「路地の奥にある古家で、仲介会社に断られた」。大阪市内の古い住宅密集地では、こうしたご相談を数多くいただきます。
結論から言えば、再建築不可の物件でも売れます。ただし、売り方と価格の考え方は、通常の物件とは分けて考える必要があります。
再建築不可とは何か
建物を建てるには、原則として幅4m以上の道路に、敷地が2m以上接している必要があります。これを接道義務といいます。この条件を満たさない土地は、いま建物が建っていても、取り壊すと 新しい建物を建てられません。これが「再建築不可」です。
大阪市内では、戦前からの区画がそのまま残る地域や、長屋を分割してきた地域に多く見られます。具体的には次のようなケースです。
- 敷地が幅2m未満の細い通路だけで道路につながっている(旗竿地の竿部分が狭い)。
- 前面の道が「道路」として認められていない通路である。
- そもそも道路に接していない、いわゆる袋地。
「4m未満だから再建築不可」とは限らない
幅4m未満の道でも、一定の条件を満たすものは「2項道路(みなし道路)」として扱われ、建て替えができる場合があります。この場合、道路の中心線から2m下がった位置まで敷地を後退させるセットバックが必要になり、そのぶん建てられる面積は小さくなります。
また、接道義務を満たしていなくても、周囲に広い空地があるなど一定の基準を満たし、特定行政庁の許可を受けられれば建築できる場合もあります。「再建築不可」と言われても、本当に不可なのか、条件付きで可能なのかは調べてみないと分かりません。まずは役所での調査が出発点になります。
価格はどう考えるべきか
再建築不可の物件は、同じ立地・同じ広さの再建築可能な物件と比べると、価格は大きく下がります。取り壊すと建て直せない以上、住宅ローンが使いにくく、買える人が限られるためです。相場の半値前後になることも珍しくありません。
ここで大切なのは、「安く見られた」と受け取らないことです。買い手が限られる物件では、値付けよりも「その価格で確実に買う人がいるか」のほうが重要になります。高い査定額を出されても、買主が現れなければ売却は進みません。
売却の5つの選択肢
1. 隣地の所有者に売る
もっとも高く売れる可能性があるのがこの方法です。隣地と一体になれば接道条件を満たし、価値が上がることがあります。隣の方にとっても土地が広がるメリットがあります。
2. 隣地の一部を買って、再建築可能にしてから売る
通路部分の幅が足りないだけであれば、隣地の一部を買い足して2mを確保できる場合があります。費用はかかりますが、その後の売却額が大きく変わります。
3. セットバックや許可の可能性を調べたうえで売る
2項道路に該当する、あるいは許可を受けられる見込みがあるなら、その事実を明らかにして売り出します。買い手にとっての不安が減れば、価格にも反映されます。
4. 現況のまま、投資家や買取業者に売る
建て替えができなくても、リフォームして貸すことは可能です。戸建て賃貸としての利回りを見て買う投資家は一定数います。片付けや修繕をせず、現況のまま引き渡せるのが利点です。
5. リフォームして自分で貸す
売らずに収益化する道です。ただし工事費の回収に時間がかかるため、その後も所有し続けられるかを含めて判断が必要です。
放置がいちばん損になりやすい
再建築不可の物件は、売りにくさから放置されがちです。しかし空き家のまま持ち続ければ固定資産税はかかり続け、老朽化が進めば倒壊や近隣への被害のリスクも増します。管理不全と判断されて指定を受ければ、税の優遇が外れる可能性もあります。
「売れないと言われた」で止まっている物件こそ、選択肢を一度並べ直す価値があります。
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まとめ
再建築不可でも、隣地への売却、条件の整理、現況買取など、進め方は複数あります。まずは本当に再建築できないのかを役所で確認し、そのうえで売り方を選ぶことです。
大阪市内・大阪府内の不動産について、売却のご相談や査定はお問い合わせより承っています。「まだ売ると決めていない」という段階のご相談も歓迎です。
※接道や建築の可否は、物件ごとに行政の判断が異なります。実際の可否は必ず所管の窓口・専門家にご確認ください。
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この記事の執筆・監修
株式会社ユナイテッドコーポレーション(代表:栂 淳也)|宅地建物取引業 大阪府知事(4)第54181号|大阪で創業20年。不動産の売買・買取、空き家・ボロ戸建の再生を手がけるほか、オリジナルブランドJUREMIの物販とiOSアプリ開発を自社で運営しています。会社概要/代表挨拶
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