ワンルームマンション投資

「団信があるから生命保険代わりになる」は本当か|ワンルーム投資の団体信用生命保険に潜む落とし穴

生命保険と不動産ローンの契約書類

「ローンには団信が付くので、万一のときは家族に無借金の物件が残ります。生命保険の代わりになりますよ」――ワンルームマンション投資でよく使われるセールストークです。確かに団体信用生命保険(団信)には一定の役割がありますが、これを過大評価して契約すると思わぬ落とし穴にはまります。本記事でその実態を整理します。

団信の仕組みをおさらい

団信は、ローン契約者が死亡・高度障害になった場合に、保険金でローン残債が完済される仕組みです。確かに「残された家族に借金のない物件が残る」という点は事実です。しかし、残るのはあくまでその物件。毎月赤字を垂れ流す物件であれば、家族には「収益の出ない不動産」と、その後の管理・納税の負担が残ることになります。

「生命保険代わり」と考える危うさ

  • すでに保険に入っているなら重複:多くの人は既に生命保険に加入しており、保障が二重になっている可能性があります。
  • 保障額が物件価格に固定される:本当に必要な保障額と、たまたま買った物件のローン残債は一致しません。
  • 解約・売却すると保障も消える:物件を手放せば団信も終了し、「保険」として当てにしていた保障はなくなります。

本当に保障が必要なら

純粋に死亡保障が必要なのであれば、掛け捨ての定期保険のほうが、必要な分だけを低コストで確保できる場合がほとんどです。「保険代わり」を理由に毎月赤字の不動産を持つのは、保障の手段としても投資としても中途半端になりがちです。団信のメリットは正しく評価しつつ、それを購入の主たる動機にしないことが大切です。

団信の種類と、上乗せされる金利

団信には、死亡と高度障害だけを対象とする一般的なものに加えて、がんと診断された時点で残債が完済されるタイプ、三大疾病や八大疾病に対応するタイプなどがあります。

保障が手厚くなるほど、金利は上乗せされます。0.1〜0.3%程度が上乗せされることが多く、借入2,000万円・35年であれば、0.2%の上乗せで総返済額は数十万円単位で増えます。保障の対価として、いくら払っているのかを把握しておくことが大切です。

必要な保障額は物件価格とは無関係

本来、必要な死亡保障の額は次のように決まります。

  • 遺された家族の生活費と教育費の見込み額
  • そこから差し引く、遺族年金と配偶者の収入、貯蓄
  • その差額が、保険で備えるべき金額

この計算の結果と、たまたま購入した物件のローン残債が一致することはまずありません。保障が足りなければ意味がなく、多すぎれば余計な費用を払っていることになります。

相続する側から見るとどう見えるか

団信で残債が消えた物件は、確かに無借金で相続されます。ただし相続人には、次の負担も一緒に引き継がれます。

  • 管理費・修繕積立金・固定資産税の支払い
  • 賃貸管理の判断(入居者対応、原状回復、家賃設定)
  • 売却したい場合の手続きと、思うように売れないリスク

不動産に関心のない家族にとっては、現金のほうがありがたいという場合もあります。「家族のため」を理由に持つのであれば、その家族が扱えるかどうかまで含めて考えたいところです。


団信が使えなくなるケース

団信は保険である以上、支払われない場合があります。代表的なのは次のようなケースです。

  • 告知義務違反:加入時に持病や通院歴を正しく告知していなかった場合、保険金が支払われないことがあります。
  • 加入できない場合:健康状態によっては団信に加入できず、その場合は融資自体が受けられないか、引受基準緩和型の団信で金利が上乗せされます。
  • 高度障害の要件に当たらない場合:働けない状態でも、約款上の高度障害に該当しなければ対象外です。就業不能の備えとは別物だと考えてください。

保険として比べてみる

仮に2,000万円の保障が必要だとして、掛け捨ての定期保険であれば、年齢や条件によりますが月数千円程度で確保できることがあります。

一方、ワンルーム投資で同じ保障を得ようとすると、毎月の持ち出しに加えて、空室や修繕、価格下落のリスクを引き受けることになります。保障の手段としての効率で比べると、差は明確です

もちろん、投資として成立する物件であれば話は別です。判断すべきは「投資として成り立つか」であり、団信はそこに付いてくるおまけと考えるのが健全です。


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この記事の執筆・監修

株式会社ユナイテッドコーポレーション(代表:栂 淳也)|宅地建物取引業 大阪府知事(4)第54181号|大阪で創業20年。不動産の売買・買取、空き家・ボロ戸建の再生を手がけるほか、オリジナルブランドJUREMIの物販とiOSアプリ開発を自社で運営しています。会社概要代表挨拶

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